やっぱり研ぎ澄まされた若き才能を目にすると、何より刺激を受けるものですね。2次予選まで終わったショパンコンクールをチェックしていて、あらためてそう感じました。仕事と子供の世話の合間をぬってのチェックなので、気になる候補者しか聴けていませんが、日本勢では、進藤実優さんと桑原志織さんが非常に見事。進藤さんは本来、前回大会で入賞すべきだった人だと思っているので驚きはありませんが、相変わらず独創性がつきぬけていますね。桑原さんも洗練度が非常に高いし、両者とも有力な入賞候補だと感じました。
そんな2人の強力なライバルになりそうなのは、KEVIN CHENさんと、TIANYAO LYUさん。KEVINさんは信じられないことに、ショパン最難関ともいえるOp.10を全曲通して弾くという偉業を、この緊迫した大舞台でほぼ完璧に達成。世界的ピアニストの編集済みのスタジオ録音を聴いているかのような仕上がりに、呆気に取られました。でも、そんなKEVINさんに勝るとも劣らないのが、わずか16歳のTIANYAOさん。技術的に完成度が高くて注目される若者は毎回出てきますが、彼女は技術だけでなく音楽自体も圧倒的な洗練度に達しています。年齢を考慮しなくても、優勝レベルにあるのは疑えません。しかもこの年齢にして風格がものすごく、スーパースター誕生の瞬間を目にしているような感動さえあります。
このままのパフォーマンスを続ければ、KEVIN CHENさんとTIANYAO LYUさんが優勝を争うことになるでしょう。そこに進藤さんと桑原さんがどこまで食い込めるか。若きピアニストたちの人生をかけた大勝負から目が離せません。